桐生励法律事務所

【神奈川県の元検事の弁護士】検察庁ってこんなところです。

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2023/12/22

皆さんこんにちは。

 

今日は、元検察官の私のとある経験談をお話しようと思います。ずばり「検察庁の実態」についてです。

 

検察官は、警察から送致(いわゆる「送検」です)されてきた事件について、警察を指揮して捜査を行い、容疑者(正確には「被疑者」といいます)を有罪にできるだけの証拠をたくさん集めます。当然、その中には、検察官が直接被疑者を取り調べて作成した供述調書も含まれます。取り調べを行うのは警察だけではありません。

 

そして、集めた証拠の中から、被疑者を有罪にできるだけの最低限の証拠を選んで(これは、通称「証拠分け」と呼ばれています)裁判所に提出し、被告(正確には「被告人」といいます)を必ず有罪にし、有罪判決を得ます。

 

東京地検や大阪地検といった「大規模庁」では、捜査を行う「刑事部」と、裁判を担当する「公判部」が分かれています。

 

今日お話しするのは、私が新任検事のころ、東京地検の公判部にいた頃の話です。

 

私は公判部で、自分が裁判で提出しようと考える証拠について証拠分けを行い、それを直属の上司に見てもらうため、提出していました。

私が裁判で提出しようと思っていた証拠の中に、「示談書」を入れていました。

 

示談書は、「被害者が被告人を許す」という内容の書類ですから、当然、被告人の量刑を軽くする効力を持ちます。

そして、その示談書は、原本だったため、弁護人側が持っていない証拠でした。

 

そこで、私は、被告人に適切な量刑の判決の言い渡しを受けてもらう必要があると考えたため、証拠分けの段階で、示談書を裁判で提出する予定の証拠として入れたのです。

 

しかし、証拠分けしたものを直属の上司に提出したところ、「何で示談書なんか入れるんだ。こんなの入れたら判決が軽くなるだろう?」とひどく怒られました。

 

つまり、検察官は、法律家として、適切な量刑の判決を得る訳ではなく、被告人をいかにして重く処罰するか、ということしか考えていないのです。

 

私は、本番の裁判で、示談書を除いた証拠を裁判所に提出しました。

弁護人側からは、「示談書は原本を検事に提出したので、手元にはない。」という話がでました。

そして、私は、裁判官から、「検察官、示談書が手元にあるなら、なんで提出しないんですか。示談書がなければ、適切な量刑の判決の言い渡しができないでしょうが。」と怒られたのです。

 

私は、直属の上司に怒られたときに、反論すべきだったと反省しました。

しかし、後のまつりです。

結局私は、示談書を提出しました。

その結果、被告人は、実刑判決を免れ、執行猶予付きの判決の言い渡しを受けたのでした。

 

そして、裁判が終わった後、私は、直属の上司から、「お前が示談書を提出したせいで、アイツは執行猶予になった。どうするつもりなんだ。」と、また怒られたのでした。

 

私は、新任検察官のころ、検察官は、法律家として、裁判では被告人に適切な量刑の判決の言い渡しを受けてもらうものだと考えていました。

ところが、違うのです。

検察官は、「被告人をいかに重く処罰するかしか考えていない」のです。

 

このことは、私が検察官を辞めて弁護士に転身した理由のひとつでもあります。

 

ということで、今日は、「検察庁はどういうところか」ということの一部を紹介しました。

 

次回は、私が検察官を辞めて弁護士に転身した理由について紹介したいと思います。

 

最後までブログをお読みいただきましてどうもありがとうございました。

 

刑事事件でお悩みの際は、ぜひ、神奈川県綾瀬市の桐生励法律事務所までご相談下さい。

 

 

 

 

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